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2005年6月27日 (月)

「名無しの関学生」君へ

 このブログを立ち上げて、「関学九条の会」発足にむけての取り組みを紹介したら、かの関学ちゃんねる早速反応が…。以前、「極左冨田をガチ殺す」と書き込まれたあのに、

9条の会、訴えるところが違う気がするのは俺だけか?

と。なんか趣旨が良くわからないんだけど…と思って、他のを覗くと、4月頃の書き込みだけど、

9条の会を広める方法
この人たちが中共の核兵器を撤去させること。
少なくとも日本標準を外してほしいですね。

とありまして、ははあ…そういうことね。たぶん同じ趣旨なんだろうな…。ということで、簡単に反論しておきましょうか。

①まず、ご忠告を受けるまでもなく「九条の会」に賛同する人々は、たぶん同時に核兵器廃絶を求める運動にも、いろいろな形で関わっているでしょうね。もちろん、二つは別々の課題だから、区別はしているでしょうけど…それから中国の核兵器だけではなく、アメリカの核兵器の全廃も求めるべきですよね。問題は、2000年の核不拡散条約(NPT)再検討会議の「核兵器の完全廃絶」の「明確な約束」を核兵器国が誠実に履行するだけのことだし、今年5月のNPT再検討会議で、この約束の履行に対して、アメリカと中国がどのような態度をとったのかをきちんと踏まえて議論して欲しいですね…

②現在進行中の第9条改訂の動きが、アーミテージ前国務副長官の「憲法9条は日米同盟の障害」という言葉に象徴されるように、もっぱら日米同盟に基づく集団的自衛権の行使を可能にすることを目指すものであり、それゆえ第9条第2項を廃棄し、自衛隊(もしくは自衛軍)の海外での武力行使を憲法上可能にしようとするものであることを忘れるべきではないですね…

③中国によるものであれ、北朝鮮によるものであれ、日本本土への攻撃が問題だとすれば、それは個別的自衛権の問題でしょ?個別的自衛権は、現行第9条でも否定されていないっていうのは常識でしょ?なのに何故、いま中国や北朝鮮の脅威が憲法9条改訂の根拠になるのですか?論点をずらすのはおかしくないですか…

④アメリカとの集団的自衛権を行使できるようにしないと、いざ日本本土への攻撃があった時、アメリカが日本防衛をしてくれないのでは…?という議論がありますね。でもそれは、完全な日米安全保障条約への違反ですよね。アメリカが条約上の義務を果たさないかもしれないというのなら、そもそもこんな条約はいらないのではないですか?同条約第10条に基づいて、一方的に廃棄すべきですよね。

 反中国、反北朝鮮という感情的で狭隘なナショナリズムを煽り立て、それを利用して、アメリカとの集団的自衛権の行使、つまりイラクをはじめ海外での武力行使を可能にするための憲法改訂を推進しようなんて、なんかひどく姑息なんじゃありませんか?

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コメント

冨田先生のブログ、時々読ませていただいています。
とかく感情論に走りやすいテーマでも
きちんと説明しようとされている姿勢が、とってもいいと思います。
実際、そういうことよね、と腑に落ちることも多いですし。

今後とも応援していますので、がんばってください。

(右翼より左翼より食欲!)

投稿: る〜し〜 | 2010年3月30日 (火) 11時49分

コメント&応援ありがとうございます。
たまにしか更新していませんが、今後ともよろしくお願いします。

投稿: 冨田宏治 | 2010年3月30日 (火) 13時17分

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