« 謹賀新年 | トップページ | 近況報告 »

2007年2月 6日 (火)

名古屋大学平和憲章制定20周年に寄せて

 昨日2月5日で、名古屋大学平和憲章の制定から20年が経ちました。

  20年かぁ…月日の経つのは早いものです。20周年…感慨もひとしおです。

 5年前、平和憲章15周年に寄せて、僕は次のようにHPに記しました。

 私が学部と大学院そして助手の11年を過ごした名古屋大学で、1987年2月5日に全構成員の6割に達する批准署名によって「名古屋大学平和憲章」が制定されたあの日から15周年目を迎えました。制定に要した約5年間の日々、当時の名古屋大学構成員のあの熱い討議を今でも忘れません。平和憲章制定実行委員会事務局長として迎えた制定の日のあの感動は、今でも胸に焼きついています。このHPで、平和を願うメッセージを発信しつづける私の原点の一つは、私の「生きてはたらく規範でありつづけている「名古屋大学平和憲章にほかなりません。当時、名古屋大学でともに学び、熱く語り合った皆さんに、いまあらためてエールを送ります。あの日の原点を忘れることなく、それぞれの持ち場で、平和の創造に貢献していきましょう。

 あの頃は、レーガン大統領とブッシュ副大統領のもと、核戦争3分前と言われた米ソ両超大国の緊張激化の中で、SDI(戦略防衛構想)と名うった大軍拡構想に大学と学問が総動員されていくのではないかという危機感が私たちを突き動かしていました。あれから15年。ソ連の崩壊と冷戦の終結から10年を経て、皮肉にも、ブッシュ・ジュニア大統領のもと、「テロとの新しい戦争」と「ミサイル防衛構想」の名のもとで、「一国行動主義」の立場に立つ唯一の超大国アメリカによる新たな軍拡の時代がはじまろうとしています。一方で日本の大学は、国立大学独立行政法人化の動きをはじめ、重大な岐路に立たされています。「名古屋大学平和憲章 の掲げた「平和の創造に貢献する大学」という理念が、いまあらためて問われようとしています。

 「2002年は戦争の年となる」と豪語したブッシュ・ジュニア大統領は、約14%増という大軍拡予算を提示し、さらには、イラク、イラン、北朝鮮などを「悪の枢軸」と名指しして、先制攻撃も辞さないという考えを明言しています。2001年9月11日の「同時多発テロ」と10月以来の「テロとの新しい戦争」に始まった、テロと報復と憎悪と暴力のエスカレーションは、とどまる所を知らないかのように展開しようとしています。私は、「名古屋大学平和憲章 の制定に関わり、これを「生きてはたらく規範」とすることを誓約したひとりの大学人として、ささやかながらも発言しつづけていきたいと、決意を新たにしています。

  あれからさらに5年、ブッシュ・ジュニアの「テロとの戦争」は、アフガニスタンからイラクへと拡大し、8000億㌦に上る戦費3000人を超える米兵の犠牲、さらに一説では数十万ともいわれるイラク市民の犠牲をもたらし、テロと報復と憎悪と暴力のエスカレーションは今もなお止まる事をしりません。そして日本では、教育基本法の改定防衛省の設置につづき、憲法9条改定に向けた動きが加速化しようとしています。

 「名古屋大学平和憲章制定にあたっての、今は亡き飯島宗一学長(当時)のあいさつが、いまあらためて思い出されます。

 平和を守り抜くことは大変厳しいことだと思う。諸君一人ひとりの署名は平和を守り抜くためには命をかけても悔いなしと誓ったことで、心から敬意を表したい。そういった状況を現出させないよう連帯して努力することを希望する。

 憲章はもう一面で、積極的で明るい未来への呼びかけだ。大学は人類の平和的な未来をひらくため、学問、研究、実践しなければならない。憲章を一人ひとりの生活のなかで、大学の活動のなかで、豊かに骨太く遂行してほしい。

 私は、「名古屋大学平和憲章 の制定に関わり、これを「生きてはたらく規範」とすることを誓約したひとりの大学人として、ささやかながらも発言しつづけていきたいと、決意を新たにしています…この決意を、制定20周年にあたって、自分自身、あらためて確認したいと思います。そして当時、名古屋大学でともに学び、熱く語り合った皆さんに、いまあらためてエールを送りたいと思います。

|

« 謹賀新年 | トップページ | 近況報告 »

コメント

皆さん、論座の「丸山真男をひっぱたきたい」を読みましたか。わたしは、続のほうを今読みました。
妙に納得共感。
「非正規雇用者」の苦悩は、「正規」には伝わりにくいものですね。
俺たちは、過労死寸前の長時間労働だ、お前たちには金はなくても暇があるだろう、だから、こんなコメント書く時間もあるのだろう、と。
とはいえ、非正規のルサンチマンは増大する一方。
ファシズム近し?
「戦争」で「国民みんなが苦しむ平等」ではなくて、「戦争がなくてみんなが幸福な社会」はどうすれば来るのか。
わたしは、「正規の待遇を非正規に近づける」というのが、最も有効な施策だと思います。
それに対して、正規が「(家のローンとか)生活設計してしまっているのだから、いまさらそんなこといわれても」と反論するのならば、生活設計すらできない非正規はどうすればいいのか。
やっぱり、非正規になったのは、運の悪さも含めて自業自得なのだから、「けっきょく『自己責任』ですか」、丸山さん。

投稿: | 2007年7月 9日 (月) 16時39分

先ほどの投稿は、大野です。
間違って、名無しになってしまいました。
わたしは、「匿名」は大嫌いですから、名乗っておきます。
失礼しました。

投稿: 大野正和 | 2007年7月 9日 (月) 16時42分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 名古屋大学平和憲章制定20周年に寄せて:

« 謹賀新年 | トップページ | 近況報告 »