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2009年2月22日 (日)

再び「転向」の季節に…

今日のサンプロ、涙が出そうでしたね。「転向」の季節は早くも深まれり…といったところなのでしょうか。

櫻井よしこ、西部邁、中谷巌、姜尚中の4氏による「これからの日本が拠って立つべきもの」についての討論(?)だったわけですが…。

曰く「武士道」(櫻井)、曰く「(共同体的な)集団運営の智恵」(西部)、曰く「日本人の美意識」(中谷)…。議論は結局は「日本」の《歴史》《文化》《伝統》の復権、《日本的なるもの》への回帰といったところへ収斂していきました。まぁ姜尚中氏を除けば顔ぶれが顔ぶれなわけですからね…。

グローバルスタンダードなるものを喧伝し、「アメリカかぶれ」「アメリカべったり」で推し進められてきた新自由主義的・市場原理主義的「構造改革」の破綻を目の当たりにして、まるで「振り子」が振れるように、《日本的な道》の再生とこれへの回帰が唱導されようとしているわけです。

それにしてもまるで絵に描いたように典型的な光景ではありませんか?涙が出そうなくらい…。

卑屈なほどの「外国崇拝」と狭隘な「国粋主義」の両極の間をまるで「振り子」のように振れるのは、この《日本》ではあまりにもお馴染みの光景です。

幕末・維新の「尊王攘夷」から「文明開化」への転換しかり、敗戦後の「神国日本」から「民主日本」への転換しかり…です。《日本》の《文化伝統》《歴史伝統》に見出だすべきものがあるとすれば、それはこうした「振り子」運動にほかならないのではないでしょうか?すなわち「開けた精神」と「閉じた精神」との間の「振り子」運動の…です。

「転向」はこの二つの精神の間で、いとも容易く起きる現象です。「開けた精神」も「閉じた精神」も要するに同根だからです。

もういい加減にしませんか?「振り子」のように揺れ動くのは…。「開かれている精神」の確立。丸山眞男の提起した課題の今日的意義をあらためて再確認したいと思う今日この頃です。

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コメント

最近、丸山真男の「歴史意識の古層」や「闇斎学と闇斎学派」(「正統と異端」)について面白い本が2冊出ましたね。一つは田中久文氏の「丸山真男を読みなおす」、もう一つは和久利康一氏の「丸山真男の「日本」論 そのモチベーションとダイナミズム」です。どちらの本も丸山真男の「本店」を取り上げたもので、いよいよ丸山研究も「夜店」から「本店」へと焦点が移ってきそうな予感がしています。

投稿: 春 | 2009年4月 8日 (水) 15時13分

春さま、コメントありがとうございます。
田中氏、和久利氏の両著作、私も読ませていただきました。「本店」をめぐる議論がますます深まることを期待したいものです。
ちなみに私も「『古層』と『飛礫』」に続いて、「『キヨキココロ・アカキココロ』考」という論稿を執筆中です。3回分載のうち、(1)は既に刊行済みで、今しばらくすればCiNiiでもお読みいただけると思います。

投稿: 冨田宏治 | 2009年4月 8日 (水) 22時35分

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