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2009年8月10日 (月)

冨田起草委員長のNPT講座 第4回

原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の機関紙『原水協通信』にQ&A形式のコラムの連載を行うことになりました。せっかくですので、このブログにも転載することにします。

Q.キッシンジャー氏をはじめ核政策の中枢にいた人びとが「核兵器のない世界」を求めはじめているということですが、いったいどうしてなのですか?

A.学習会などでもよく話すのですが、キッシンジャー氏をはじめとする人びとが、突然良心に目覚めて、私たちが被爆者の方がたとともに叫んできた「広島・長崎をくり返すな」「核兵器なくせ」の声に耳を傾けるようになったというわけでは残念ながらありません。

 前回お話した4氏の呼びかけには、「核兵器と核のノウハウ、核物質は加速度的に拡散し、引き返すことが不可能なところまで来ている。われわれは、これまで発明された最も破壊的な兵器が危険な者たちの手に落ちるという現実の可能性に直面している」と書かれ、また、「核兵器がますます広範囲に入手可能となるなかで、抑止力の有効性はますます低下する一方で危険性は増大している」とも書かれています。

 要するに彼らは、核兵器が「拡散」し、あげくの果てにテロリストなど「危険な者たち」の手にわたることを、本気で恐れはじめているのです。核兵器が自分たちのコントロールのまったく及ばないテロリストの手にわたり、「核テロ」が現実のものとなったら、そう考えたとき彼らは、それこそ背筋が凍る思いをしたのでしょう。

 「核を求めるテロリストを説得することは困難である。よって、核兵器そのものを廃絶していくしかない」と前回触れた「グローバル・ゼロ」キャンペーンのwebサイトも、自ら立場を説明しています。つまりは、テロリストの手に核兵器がわたるくらいなら、核兵器を全廃するほうがましだ、というのが彼らの立ち至った結論なのだということです。

 それは、核保有国で核政策の中枢にあった彼らの非常に現実主義的な政治判断にもとづく結論なのだと思います。彼らが突然「善い人」たちになったのではありません。しかし彼らのような人びとが、このような政治判断に立つに至ったということは、何より重要なことだと思います。

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