« 冨田起草委員長のNPT講座 第4回 | トップページ | 冨田起草委員長のNPT講座 第6回 »

2009年9月10日 (木)

冨田起草委員長のNPT講座 第5回

原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の機関紙『原水協通信』にQ&A形式のコラムの連載を行うことになりました。せっかくですので、このブログにも転載することにします。

Q.キッシンジャー氏らの呼びかけからオバマ大統領の演説まで、「核兵器のない世界」を求める「新しい流れ」を、どう評価したらいいのでしょう?

A.核兵器が拡散したあげくテロリストの手に渡るぐらいなら、核兵器をなくしたほうがましだと核政策の中枢にいた人びとの多くが現実主義的な政治判断をするに至り、オバマ大統領のプラハ演説もこうした流れの延長上にあるのだと言いました。

 それは要するに、「テロや拡散」の危険に対しては、核兵器の廃絶というオルタナティブ(対案)しかないことを、彼らもついに認めざるをえなくなったのだということです。

 それはまず何よりも、「テロと拡散」に対しては、核兵器の使用も含む予防的先制攻撃で対抗するという危険なブッシュ・ドクトリンからの決別を意味するわけです。

 9.11同時多発テロに対して、「テロとの戦争」を宣言したブッシュ大統領は、このブッシュ・ドクトリンにしたがって、アフガン戦争からイラク戦争へと戦火を拡大していきました。「テロや拡散」への危険があると見なせば、その危険がまだ芽のうちに、つまり予防的に、先制攻撃で叩きつぶす。しかも、そこでは核兵器の先制使用も辞さない。それは危険極まりない政策です。ブッシュ政権はこうした先制攻撃のための新型核兵器の開発すら進めていたのです。

 アフガン戦争とイラク戦争の泥沼化、とりわけ「テロとの戦争」が、むしろテロをますます増大させ激化させてきただけであることは、もはや誰の目にも明らかですよね。ブッシュ・ドクトリンの破綻は、もはや疑う余地のないものとなったのです。

 ブッシュ・ドクトリンやイラク戦争が危険きわまりない誤りであることは、イラク反戦に立ち上がったヨーロッパをはじめとする世界諸国民の巨大な反戦平和運動が一貫して厳しく批判してきたものです。キッシンジャーら4氏にしても、オバマ大統領にしても、こうした反戦平和運動の批判に耳を傾けざるを得なくなったということなのでしょう

|

« 冨田起草委員長のNPT講座 第4回 | トップページ | 冨田起草委員長のNPT講座 第6回 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 冨田起草委員長のNPT講座 第5回:

« 冨田起草委員長のNPT講座 第4回 | トップページ | 冨田起草委員長のNPT講座 第6回 »