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2009年10月 7日 (水)

冨田起草委員長のNPT講座 第6回

原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の機関紙『原水協通信』にQ&A形式のコラムの連載を行うことになりました。せっかくですので、このブログにも転載することにします。

Q.「テロと拡散」への予防的先制攻撃という危険なブッシュ・ドクトリンが破綻するなかで、それへの唯一有効な対案として、核兵器の廃絶が浮上してきたというわけですね。

A.そうですね。重要なのは、「テロと拡散」の危険への対案は核兵器の廃絶以外ないという立場は、世界大会の「国際会議宣言」がくり返し表明してきたものだということです。キッシンジャー氏ら4氏の呼びかけからオバマ大統領のプラハ演説にいたる新たな流れは、原水爆禁止世界大会のこの間の主張が、いかに先見的で、正しいものだったのかを証明しているわけです。ここに確信をもたなければならないと思います。

 もうひとつ重要なポイントは、キッシンジャー氏らの呼びかけにある「核兵器がますます広範囲に入手可能となるなかで、抑止力の有効性はますます低下する一方で危険性は増大している」というくだりです。核大国の中枢にいた人びとの間に、「核抑止力」の有効性への疑問が広がっているのだとすれば、これはとても重大なことです。

 「核抑止力」論というのは、「核兵器は戦争を抑止するものだ」という理屈で、「平和と安全を核兵器に頼る」という考え方です。これこそが核保有を正当化する主要な口実なんですね。要するに「刃向かえば核攻撃するぞ」と威嚇し、脅迫することで、相手の手を縛る。これが「核抑止」、つまり「核兵器による平和と安全」ということです。

 キッシンジャー氏らが、「テロと拡散」への恐怖をつのらせながら、ますます低下する「核抑止力」の有効性に疑問を表明しているのは、とても重大なポイントです。自らの命を顧みず「自爆攻撃」も辞さない「テロリスト」には、「核攻撃するぞ」という威嚇も、脅迫も通用しないのではないかというわけです。

 「核兵器のない世界」への動きに立ちはだかる障害のひとつはこの「核抑止力」論です。こうして「核抑止力」への疑問が広がっているとすれば、いまこそ、その息の根を止める絶好のチャンスなのではないでしょうか。

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