« 2010年NPT再検討会議にむけた課題と核兵器廃絶の展望 | トップページ | 冨田起草委員長のNPT講座 第8回 »

2009年11月12日 (木)

冨田起草委員長のNPT講座 第7回

原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の機関紙『原水協通信』にQ&A形式のコラムの連載を行うことになりました。せっかくですので、このブログにも転載することにします。

Q. 今年の「国際会議宣言」も、「核兵器のない世界の実現のためには、『核抑止力』論をはじめ、核兵器を安全保障の手段と見なす誤りに、きっぱりと終止符を打たなければならない」と力強くよびかけていますね。

A.そのとおりです。核兵器によって「平和」や「安全」を守るという誤った議論ときっぱりと手を切ることなしに、「核兵器のない世界」は実現できません。

 その点では、「核兵器が存在する限り、わが国はいかなる敵であろうとこれを抑止し、同盟諸国に対する防衛を保証するために、安全かつ効果的な兵器を維持します」と語ったオバマ大統領のプラハ演説に重大な限界があることも事実なのです。こうした限界を打ち破るためにも、「核抑止力」論への批判を徹底的に強めていかなければならないわけです。

 とりわけ日本においては、アメリカの「核の傘」への依存が必要だという議論との決別が何よりも大切ですね。「核の傘」とは、核兵器による「拡大抑止」のことであり、まさに「核抑止力」以外の何物でもありません。北朝鮮の核実験やロケット(ミサイル)発射の問題もあり、日本では「核の傘」の必要性を声高に叫ぶ論調が後を絶ちません。

 北朝鮮の核実験は、「核抑止力」によって「安全」を求めようとする意図によるものでしょう。それは、「核兵器のない世界」への重大な挑戦であり、決して許されるものではないのです。しかし、この「北の核」に対して、アメリカの「核の傘」や日本の独自核武装を対置するのもまた、「核抑止力」論という同じ誤りに基づくものでしかないわけです。こうした誤りの連鎖にきっぱりと終止符を打つことこそ、唯一の被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に貢献する道ですよね。

 同盟国・日本が「核の傘」の維持を求めていることを口実に、「核兵器のない世界」の構想に基づく核戦略の見直しに抵抗しようとする勢力が米国内に存在するともいわれています。

 唯一の被爆国である日本国民の世論は重要ですね。日本の原水爆禁止運動の国際的な責任なのだといわなければなりません。

|

« 2010年NPT再検討会議にむけた課題と核兵器廃絶の展望 | トップページ | 冨田起草委員長のNPT講座 第8回 »

コメント

冨田先生、ご無沙汰しております。灘原水協11月24日に総会をひらきました。被爆者のお話し記録集づくりに着手しております。私たちのところで「お話し」いただいた記録(テープ起こし)集。学生さんに手伝っていただいたりの作成にがんばっています。
NPT、灘区から4人派遣決定(被爆者ご一家と青年事務局長)
灘原水協ニュースに先生の「NPT講座」を、今後、転載させていただきます。わたしメール環境なしのため、ネット難民になってカフェで送信しました。灘原水協 かんたろう

投稿: 灘原水協(管) | 2009年12月 5日 (土) 21時10分

かんたろう さま

コメントありがとうございます。
灘原水協通信への転載了解いたしました。
どうぞご活用ください。
ニューヨークへ4人派遣とのこと、派遣費用等大変だとは思いますが、署名運動と合わせて、灘原水協の皆様のご健闘を期待申し上げます。
情勢は必ずしも単純ではありませんが、さらなる展望を拓く力は諸国民の世論と運動以外にはありえません。
がんばりましょう。
明日は高槻母親大会、8日は大阪革新懇、11日は福知山原水協、12日は西須磨9条の会と、私も大車輪で講師活動展開中です。

投稿: 冨田宏治 | 2009年12月 5日 (土) 21時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 冨田起草委員長のNPT講座 第7回:

« 2010年NPT再検討会議にむけた課題と核兵器廃絶の展望 | トップページ | 冨田起草委員長のNPT講座 第8回 »