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2009年12月 9日 (水)

冨田起草委員長のNPT講座 第8回

原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の機関紙『原水協通信』にQ&A形式のコラムの連載を行うことになりました。せっかくですので、このブログにも転載することにします。

Q. これまでお話いただいたような新たな展望のもとで、核兵器廃絶への道を切り拓く絶好のチャンスとして、2010年5月にNPT再検討会議が開催されようとしているわけですね。

A. そのとおりです。もちろん、このまま何もせずにいても、「核兵器のない世界」への道が自然に切り拓かれるわけではありません。核兵器廃絶を求める世界諸国民の世論と運動を結集し、NPT再検討会議が確実な成果をあげるよう、力強く迫っていかなければなりませんね。

 来年のNPT再検討会議に期待されるのは、何よりもまず、10年前の再検討会議の「最終文書」が合意した、「自国核兵器の完全廃絶を達成するという全核保有国の明確な約束」を再確認し、核兵器の完全な廃絶を目指すという確固とした政治的合意を実現することでしょう。こうした明確な政治的合意こそが、まず第一に必要なのです。

 もちろん、この合意のもとで、その実現にむけての具体的で実効ある措置が取られていかなければなりません。こうした措置には、核兵器の95%を保有する米ロの核兵器削減交渉のさらなる進展や包括的核実験停止条約(CTBT)の早期発効、兵器級核物質生産禁止(カットオフ)条約の締結、核兵器の先制不使用の宣言、非核兵器国に対する核兵器使用の禁止、非核地帯の創設と拡大などがあります。

 しかし大切なことは、核兵器の廃絶はこうした部分的な措置の単なる積み重ねによっては、実現しないということなのです。「核兵器のない世界」を実現するには、核兵器を廃絶するという政治的合意をもとに、これを実現するための法的な枠組みをつくらなければなりません。それが、原水爆禁止世界大会が一貫して求めつづけてきた核兵器全面禁止・廃絶条約です。もちろん名前にこだわるわけではないですから、核兵器条約と呼ばれようと、包括的核兵器禁止条約と呼ばれようとかまわないのですけどね。

 2010年のNPT再検討会議に期待されることは、こうした法的枠組み、つまり核兵器全面禁止・廃絶条約の締結にむけ、少なくともその交渉開始が合意されることにほかなりません。

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