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2010年3月10日 (水)

冨田起草委員長のNPT講座 第11回

原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の機関紙『原水協通信』にQ&A形式のコラムの連載を行うことになりました。せっかくですので、このブログにも転載することにします。

Q.政府(GO)と非政府組織(NGO)、草の根の市民の運動の地球規模での連帯が、NPT再検討会議成功のカギを握っているとのことですが、唯一の被爆国・日本の政府の動向も気になるところですね。

A.歴史的な政権交代によって登場した鳩山首相は、その外交デビューとなった昨年秋の国連演説で、「唯一の被爆国としての道義的責任」として、オバマ大統領の「核兵器のない世界」の構想への共鳴を表わすとともに、「非核三原則」の厳守と核軍縮・核不拡散を主導する積極外交の展開を誓約しました。この国際公約を真摯に実行することこそが、鳩山政権に求められているわけですね。

 発足直後の鳩山政権は、「非核三原則」を裏切ってきた日米間の「核密約」の調査・検証・公表を約束しました。そして実際に、日米安保条約の改定、沖縄の返還、空母ミッドウェーの横須賀配備に際して日米間で交わされてきた「核持ち込み」に関する「密約」が、つぎつぎと発見されました。これらは、まもなく正式に公表されることになるでしょう。

 日本国民は数十年にわたって日米両政府に欺かれ続けてきたわけです。それがいま白日の下にさらされようとしているのですから、政権交代のもたらした大きな成果だと言えるでしょうね。このことは素直に認めてあげてもよいのではないでしょうか。

 でも鳩山政権が唯一の被爆国の政府として、「核兵器のない世界」の実現に積極的な役割を果たせるか否かは、結局は「核抑止力」という考え方ときっぱりと手を切れるかどうかにかかっているのだと思います。ここでも問われているのは、「核の傘」(=核による「拡大抑止」)を含む「核抑止力」論と決別できるかということです。

 残念ながらこれに関しては、鳩山政権にはずいぶん心もとない点があるわけです。鳩山首相や岡田外相は、日米同盟そのものや沖縄に駐留するアメリカ海兵隊を「抑止力」と認めるような発言をくり返しています。こうした姿勢が「普天間問題」を複雑にしていることは言うまでもありません。「抑止力」という発想そのものからの脱却が必要なのだということです。

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